週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比0.13ドル安の70.71ドル、ブレント原油は0.32ドル高の75.81ドルとなった。

 前週末の海外原油は続落。中国の5月PPIが市場予想以上に落ち込んだことでエネルギー需要の減少が意識される格好となった。また、ゴールドマン・サックスが原油価格予想を引き下げたことも圧迫要因となった模様。

 週明け12日も続落。エネルギー需要の先行き懸念が引き続き重しとなるなか、インフレ圧力の高止まりを受けて年後半は金融引き締めが続く可能性があり、景気悪化懸念が相場を押し下げる展開となった。13日は反発。中国人民銀行が短期資金供給の金利を引き下げたことで景気刺激策に対する期待感が高まったことが相場を押しあげた。また米5月CPIの伸びが11ヵ月連続で鈍化し、利上げ停止観測が強まったことも支援要因となった。14日は反落。FOMCにおいて、市場予想通りに利上げが見送られたものの、年内であと2回の追加利上げが示唆されたことが重しとなった。そのほか、EIA統計で原油、製品在庫が増加していたことも圧迫要因となっている。15日は反発。中国の5月石油精製量が前年比15.4%増の日量1,460万Bと、過去2番目の高水準となったことが好感された。また、ECB理事会で7月に追加利上げを行う公算が極めて高いとの見通しが示され、ユーロ高ドル安となったことも支援要因となった。



 今週の原油相場はWTIで70ドルを挟んだレンジでの推移となるか。今回のFOMCでは利上げが見送られたものの、追加の利上げが示唆されたことから引き続き景気悪化懸念が相場の重しとなるだろう。また、米国とイランの核合意交渉も協議が続いているとの報からイランからの供給増加も意識されているほか、ゴールドマン・サックスやJPモルガンが価格見通しを引き下げるなど市場見通しは悪化している。一方で、年後半には需給引き締まるとの観測や、安値では米国のSPR補充による買いが入ることも想定されるため、大きく下げる場面では安値拾いの買いを狙いたい。予想レンジは66~74ドルといったところか。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。