週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比1.55ドル高の70.07ドル、ブレント原油は1.13ドル高の76.01ドルとなった。

 前週末の海外原油は引き続き金融システムへの不安が重しとなると、破綻したシリコンバレー銀行の親会社であるSVBファイナンシャルグループが17日に連邦破産法11条の適用を申請したことからリスク回避姿勢がさらに強まる格好となり軟調な推移となった。

 先週は金融システムへの不安による売りが一巡すると、FOMC通過後にドル安進行したことなどが支えとなり堅調な推移となった。週明けはスイスの金融大手UBSがクレディ・スイスを買収することで合意したと伝わったことから投資家心理が改善し、押し目を買われる展開となった。翌21日も堅調な流れを引き継ぐと、イエレン米財務長官が米シリコンバレー銀行などと同様に預金流出が発生すれば預金を全額保護する可能性について述べるなど、中銀が流動性の供給を約束したことから金融システムへの不安が後退し続伸した。翌22日はFOMCにおいて利上げ幅が0.25%と小幅にとどまったほか、パウエルFRB議長が利上げの停止も検討したことを明らかにするなど、これまでのタカ派的な構えがやや後退したと受け取られたことからドル安進行したことが支えとなり堅調な推移となった。翌23日は金融システムへの根強い不安が重しとなり株価が軟調に推移したほか、米エネルギー省長官がSPRの補充に数年かかる可能性があると述べるなど補充を急がない姿勢を示したことが重しとなり軟調な推移となった。

NY原油チャート

 今週の原油相場はWTIベースで70ドル回復を試す展開が想定されそうか。スイス金融大手UBSがクレディ・スイスの買収を発表したほか、主要国中銀が流動性の供給を表明したことで金融システムへの不安が後退しており、売り一巡後は短期筋による押し目買いの動きから上昇しやすい。また、パウエルFRB議長が利上げに強いコンセンサスがあったと述べながらも、利上げ停止も検討したと明らかにしたことからドル安進行したことも支えとなっている。一方で株式相場の不安定な動きや、米国がSPR補充への消極的な姿勢を示したことは重しとなっており、70ドルを突破できなければ再度65ドル付近まで下落する展開も想定しておきたい。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。