週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比2.76ドル高の81.24ドル、ブレント原油は1.35ドル高の87.09ドルとなった。

 前週末25日の海外原油は下落した。ドル高と中国の新型コロナ感染者数の増加による景気懸念が売り材料となった。

 先週は安値調整の週となった。週明けの28日は反発した。中国のゼロコロナ政策に対する大規模デモの発生が懸念となり安値更新する場面もあったが、OPEC+の追加減産の噂や下落相場の行きすぎ感などから安値から大幅に買い戻されプラスサイドまで持ち上がった。翌29日も上昇した。中国の衛生機関が過剰のコロナ規制を避ける旨のコメントを発表したことからリスク回避後退から強含んだ。翌30日は続騰となった。米EIA統計で原油在庫が大幅減少したことや中国のコロナ感染者数の減少などを好感し大幅に上昇した。翌1日も続伸した。中国の広州や重慶でコロナ対策の緩和傾向が報じられたことをおおむね好感し上昇したものの週末のOPEC+会合等を控えたポジション調整などから上値からは値を削る動きとなった。

原油チャート

 週末のOPEC+会合は追加減産はなく、11-12月と同等で23年中200万Bの減産維持となった。5日が期限とされるロシア産上限は60ドルで妥結したが、今後たびたび、ロシアによる口先介入や実際の供給懸念が高まる場面も想定しなければならず、目先は底入れに向かうのではないか。直近短期のテクニカルトレンドで上下20ドル近い乱高下を数度演じているので、高いボラティリティを考慮してのぞみたい。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。