週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比2.44ドル高の90.37ドル、ブレント原油は0.83ドル高の96.85ドルとなった。

 前週末の海外原油は反落。米9月個人消費支出が予想以上の増加となったことで大幅利上げへの懸念からドル高進行したことが重しとなった。また中国で再びコロナ感染者が拡大していることも圧迫要因。

 先週は中国でゼロコロナ政策が緩和されるとの期待が支えとなった一方、FOMCでの議長の発言がタカ派寄りであったことが重しとなり方向感に欠ける動きとなった。週明け31日は続落。ゼロコロナ政策が続く中国の購買担当者景気指数が、景気判断の分岐点である50を下回ったことが相場を押し下げた。またFOMCを控えて様子見ムードとなっていることや、EIA月報で8月の米原油生産が2020年3月以来の高水準となったことも重しとなっている。1日は反発。SNSにて中国政府がコロナ政策の規制解除に向けて委員会を設置したと投稿されたことで中国の石油需要回復が意識された。一方で米10月ISMが強い数字となったことや、9月求人件数が予想外の増加を示したことでドル高に振れたことが上値を抑えた。2日は続伸。中国のゼロコロナ政策の緩和が期待されているなか、EIA統計で原油、ガソリン在庫が取り崩しとなったことが相場を押し上げた。しかし、FOMCにおいて0.75%の利上げが決定されたほか、パウエルFRB議長が最終的な金利水準が従来想定よりも高くなったと述べたことでドル高進行したことは上値を抑えた。3日は反落。中国で再びコロナ感染者が増加していることや、前日FOMCの内容を受けてドル高となったことが圧迫要因となった。

原油チャート

 今週の原油相場はWTI12月限は10月10日の92.34ドルを試す展開が予想される。目先は90ドル超えで利食い売り圧力を受けているものの相場の流れは下値の堅い動きに転換した可能性が強まっている。北半球の冬季が近づき供給懸念がクローズアップされやすくなっている。11月からのOPECプラスの200万Bの減産、12月5日からのロシア産原油の禁輸など相場が噴き上げやすい環境となっている。ただ、中国のコロナ感染者の増加や世界的な景気悪化懸念は根強く強気一辺倒にはなりにくい。来週は米中間選挙が行われる予定で金融マーケットが大きく動く可能性もあり、原油市場も波乱含みの動きとなることを想定する必要がある。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。