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週間相場分析2014年07月14日号


強弱の微妙な綱引き

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7/11 15:30現在

海外情勢

 世界最大の金ETF"SPDR Gold Shares"の保有残高は10日時点で800.04トン。8日に前日比2.09トン増の800.28トンとなり、4月中旬以来初めて800トンを超えた。一方、シンガポールのオーバーシー・チャイニーズ銀行のエコノミスト、バーナバス・ガン氏(※ブルームバーグが実施している貴金属相場の予想調査で2番目に的確な見通しを示している)は、FRBによる量的緩和策縮小に伴い、金相場は年末までに1150ドルに下落すると予測。

内部要因

 ニューヨーク金市場における大口投機玉(ファンド)の買い越しは1日時点で14万6025枚、前週比2万5166枚増。取組高は1日時点で40万枚台、9日時点で41万枚台。東京市場の取組高は9万枚台。カテゴリー別(3日⇒10日)では、当業者は売り玉1000枚増に対し買い玉3000枚増、非当業者は売り玉2900枚増に対し買い玉1000枚増。

総合分析

 ニューヨーク金期近は1300ドル台前半、東京金期先は4300円台前半で足踏み状態が続いており、6月中の続伸の背景にあった中東やウクライナ情勢の緊迫化などをひとまず織り込んだと推察される。一方で、上値づかえが続きながらも、それを嫌気した売りに見舞われていないのは、金ETFの保有残高増加や米国の早期利上げ観測後退などが下値を支えているからだ。強弱が微妙な綱引き状態にあるといえ、その力関係が今後どう変化するのか注意する必要がある。また、イスラエルの緊張とポルトガルの一部銀行の金融不安がどう影響するか見守りたい。

白金

供給ひっ迫懸念根強い

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7/11 15:30現在

海外情勢

 中国自動車工業会が発表した6月の同国新車販売台数は前年同月比5.2%増の約185万台となった。なお、今年上半期の販売台数は前年同期比8.4%増となり、年間販売台数を前年比8~10%増と予想。一方、欧州ビジネス協議会が発表したロシアの6月の自動車販売台数は前年同月比17.3%減少となり、年間の販売台数については前年比12%減の245万台と予想、今年初めに示した予想の同1.6%減から大幅に引き下げた。

内部要因

 ニューヨーク白金市場における大口投機玉(ファンド)の買い越しは1日時点で4万6254枚、前週比2819枚増。取組高は1日時点で6万9000枚台、9日時点で7万3000枚台。東京市場の取組高は7万枚台。カテゴリー別(3日⇒10日)では、当業者は売り玉100枚減に対し買い玉800枚増、非当業者は売り玉3500枚増に対し買い玉2500枚増。

総合分析

 南アフリカ共和国では白金の鉱山ストは一旦終結したが、今度は金属労働者組合所属の労働者20万人超が15%の賃上げ要求を掲げてストに入って以来1週間になり、9日時点でスト終結のメドは立っていない。そのため、電力供給不安が高まっており、長期スト終結後も白金鉱山がいまだ通常操業には程遠い状況にあることと相まって、白金の供給ひっ迫懸念は根強い。米景気の回復基調に伴う産業向け白金需要増加観測もあって、引き続き白金価格は下げにくい公算。

原油

調整安一巡すると再び反発へ

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7/11 15:30現在

海外情勢

 イラク情勢は一段と緊張の色を濃くしているが、同国南部からの原油輸出が安定して続いていることや、リビアからの原油輸出の再開にメドがついたことから原油価格は下落している。また、ニューヨーク原油価格の弱材料として米中西部の原油集散地であるオクラホマ州クッシングの原油在庫増加が指摘された。それでも、米国の景気回復に伴う石油需要増加期待、夏のドライブシーズンなどの行楽需要がサポート要因となって、底固さが認められる。

内部要因

 ニューヨーク原油の大口投機玉(ファンド)のポジションは7月1日時点で53万5712枚買いに対し8万9872枚売り、差し引き44万5840枚の買い越し。買い越しが減少しているのはファンドが買い玉を利食、手仕舞い売りを出したことを示している。東京原油市場の非当業者売買バランスは7月10日時点で1万0275枚の買いに対し5055枚の売り、差し引き5220枚買い越しと、8日現在の6226枚から減少、上値警戒による買い玉手仕舞が認められる。

総合分析

 イラクのスンニ派過激派組織はシリアから攻撃を受け、これと交戦する回数が増えている。同時にイラク政府軍との戦闘もその戦域を拡大、イラクの首都バグダッド進攻計画も進めており、首都攻防戦にエスカレートする危険をはらんでいる。また、イスラエルの緊張も中東の地政学的リスクを高めるもので無視できない。このため、ニューヨーク原油は調整安が一巡すると、再び反発へ転じる可能性が高い。そうなると東京原油期先はキロリットル当たり7万円大台に挑戦する可能性が出てくる。

大豆

供給圧迫強く弱気主導の展開

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7/11 20:30現在

海外市場

 シカゴ大豆は下げ止まらず、8日に期近が13.2550ドル、10日に新穀11月限が10.9225ドルまで下落した。2014年の実作付面積が8483万9000エーカーと市場の事前予想8215万4000エーカーを268万5000エーカー、前年実績(7653万3000エーカー)を830万6000エーカー上回ったことが背景。8月は大豆の開花・着サヤ期で、生産はこの時期の天候に左右されるが、米農務省が発表した7月6日現在の全米18州平均の作況報告で、"優"と"良"の合計が72%と前年同週の67%を上回り、加えて、作柄を悪化させるような気象情報は伝わっておらず、史上最高の大豊作というコンセンサスが市場で形成されていることも響いている。このようななかで、11日に2014~15年度の需給予想が発表された。問題は生産量予想だが、市場の事前予想平均は37億7400万busと前年の32億8900万busを大きく上回り、先行き、供給圧迫感が強まると見るのが妥当だろう。米農務省発表後にシカゴ大豆市場で利食の買い戻しが出ようが、弱気の流れは変わらない。

国内市場

 東京一般大豆期先は6月24日の5万4950円から3000円ほど下落した。相対力指数が30ポイントを下回ったため、そろそろ反発する場面があってもおかしくないが、あくまでもテクニカルの域にとどまろう。いずれ期先で5万円割れを目指す展開が予想される。

ゴム

200円で底固め出来るか?

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7/11 15:30現在

ファンダメンタルズ

【産地】主要セントラルマーケットにおける集荷量は一日当たり170~290トン台。週末現在、原料は59.25バーツ、オファーは8月積207.50セント(円換算約220.40円)で取引されている。
【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫は7月3日現在、前旬比422トン減の21,205トン。入庫量477トンに対し出庫量は899トン。
【前検】7月度のゴム品質検査請求(前期)は、再検のみで941枚(4705トン)。

展開予想

 東京ゴムは週初に急落、その後下値を切り下げる展開。週初に上海ゴムが直近の安値であった14450元を完全に下抜けたことにより投げ売りが先行、14000元近辺に急落すると、東京ゴムも204円台へ一気に駆け降りた。その後は円高進行、原油安により軟調に推移するも200円が固い。週末現在も200円を挟んだ一進一退の攻防が続いている。
 罫線は6月5日と6月17日の安値を結んだラインを割り込んだことをきっかけに急落しているため、短期的な上昇トレンドが終了したと捉えることができる。しかし週末に一旦200円を割り込んだものの198円近辺に位置している雲の下限で反発、200円台を回復しているため、弱気筋の買い戻しが入りやすい形になっている。よって205円台への上昇も考えられるが、戻りは売られる可能性が高い。
 鞘は先週とほぼ変わらず、当先の鞘は順ザヤ10円前後での推移となっている。国内の在庫事情を考えると順ザヤが更に拡大する可能性もある。

為替

米国の金利低下映しドル軟化

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7/11 15:30現在

海外情勢

 ポルトガルの銀行の親会社が短期債務の返済を見送ったことで金融不安が高まり、ユーロが対ドルで反落、安全資産として円が買われる場面もあった。米国の金利低下を映して、ドルは緩慢な動きながら1ドル=101円台前半へ下げ、FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録公開で、利上げ時期に関する手掛かりがなかったことがドル軟調の背景になっている。一方、米国の株価伸び悩みもドルの地合が軟弱な理由と見られる。

国内情勢

 日本の成長戦略は株高・円安を誘導するとされたが、日銀の追加緩和策が年内に実施される可能性が低いとするアナリストが半数を超えるなど、様子を窺う神経質な動き。米国市場の米金利低下に連動したドル安を意識、1ドル=101円台半ばでの往来相場を強いられている。

総合分析

 日本株の軟弱地合いを映して円が強含みとなる傾向が認められる。これは安倍政権の成長戦略が『株高・円安』を柱としているため、これに対する期待感が薄れると、円安になりにくいという市場の反応である。それでも、機関投資家の海外債券運用比率が高まればドル高・円安が促されるとの判断から1ドル=102円を超え、103円へ向かうシナリオを描くアナリストも少なくない。


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